三陸トレイル & トレイン

サステナブルな、みちのく潮風トレイルの冒険。 

サステナブルな、みちのく潮風トレイルの冒険。 

ローカル列車で楽しむ三陸のトレイル
ローカル列車で楽しむ三陸のトレイル

八戸市 蕪島から種差海岸へ

最北端のスタートハイキング

青森県八戸市鮫町にある蕪島は、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されています。昭和17年の埋め立て工事により本土と陸続きとなった島の頂上に鎮座する蕪嶋神社は、弁財天などを祀り、商売繁盛、漁業安全の守り神として、古くから信仰されてきました。2月下旬から3月末にかけて、3万羽近いウミネコが子育てのために集まり、8月上旬には子育てを終え、全てのウミネコが蕪島から離れます。その間、壮大なロングトレイルの出発点として、赤い鳥居、白いウミネコと青い空という、非常に特徴的な美しい光景を見ることができます。「みちのく潮風トレイル」は、ここから遥か1025km南の福島県相馬市まで続いています。

漁師たちが海の安全を祈願する場所であり、またウミネコの繁殖地として保護されている蕪嶋神社。みちのく潮風トレイル最北端の「トレイルヘッド」(起点)・「エンドポイント」(終点)のモニュメントが設置されていて、ここから福島県相馬市まで1000キロメートル余りのルートが続きます。

海岸沿いを種差海岸までなぞる

蕪島から南へ、歩くこと数時間。砂浜から田村岬の岩礁まで続く、驚くほど多様な「みちのく潮風トレイル」の風景を一望できます。

10kmほど進むと、種差海岸の天然芝が目に飛び込んできます。かつて馬の放牧地だったこの場所は、人々がピクニックや散策、ヨガなど、自然の中でリラックスするために訪れる場所となっています。

冬、海から吹き付ける冷たい風の中、勇気を出して海岸に出てみると、そこには広大な雪景色が広がっています。夏には青々とした芝生が広がり、ゴツゴツした海岸に波が打ち寄せ、まるで風景画の中に足を踏み入れたかのような感覚になります。

トレイルに出る前に地元の味を

「みちのく潮風トレイル」は、旅人が地元の人々と触れ合うための道でもあります。こじんまりした飲食店が軒を連ねる八戸市の「横丁」は、まさに地元の食文化に出会える場所です。

八戸横丁

八戸市の中心部には8つの「横丁」があります。中でも「みろく横丁」は、7・8人の客が肩を並べるのがやっとの広さ、カウンター席のみ、といった飲食店が26軒あり、水揚げされたばかりのイカやサバ、温かいせんべい汁など、さまざまな名物料理が味わえます。

館鼻岸壁朝市

週末に八戸を旅するなら、館鼻岸壁朝市(たてはながんぺきあさいち)がおすすめ。みろく横丁で味わうような、地元に馴染みの食材が並びます。海産物や農産物から地域の屋台料理まで、300近い屋台が軒を連ねており、食いしん坊にはたまらない場所です。